歴史や美術をテーマに、時代の息吹を鮮やかに
描き出す小説家澤田瞳子さん。デビュー以来、
多くの文学賞を受賞してきたその軌跡は、
日本文学界に新たな風を吹き込みました。
ここでは、澤田瞳子さんの主な作品と受賞歴を
ご紹介します。
目次
主な作品と受賞歴
『孤鷹の天』(2011年)
第17回中山義秀文学賞受賞作。舞台は
奈良時代・天平宝宇年間。藤原清河の家に
仕える高向斐麻呂が、憧れの広子のため唐へ
渡ることを志す物語。友情や理想に燃える
若者たちの姿と、政治の波に翻弄される現実が
鮮烈に描かれます。
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『満つる月の如し 仏師・定朝』(2012?2013年)
第2回本屋が選ぶ時代小説大賞、第32回新田次郎
文学賞を受賞。平安時代の天才仏師・定朝と、
その後見人となった僧侶隆範の物語。権力と
芸術、そして人々の心をめぐる深い問いが
込められています。
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『若冲』(2016年)
第5回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、第9回
親鸞賞受賞。江戸時代中期の画家・伊藤若冲と、
その贋作を作り続けた義弟の複雑な関係を描く
長編。京画壇の熱気や政治的背景とともに、
芸術に生涯を捧げた若冲の姿が迫真の筆致で
綴られます。
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『星落ちて、なお』(2021年)
第165回直木三十五賞受賞作。明治から大正に
かけて生きた女絵師・河鍋暁翠の一生を描いた
作品。父・暁斎の画風を守り抜きながら、
家庭と芸術の狭間で奮闘する女性像が読者の
心を打ちます。
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澤田瞳子さんの作品は、歴史的背景の緻密な
描写と人物の心理描写が絶妙に融合しており、
読み応え抜群です。
澤田瞳子 (さわだ とうこ)
プロフィール
- 生年:1977年(京都府出身)
- 学歴:同志社大学大学院文学研究科
博士課程修了 - デビュー:2010年『孤鷹の天』で小説家デビュー
- 特徴:日本史や美術史を背景にした
作品で多数の文学賞を受賞
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