「スカルプターのための美術解剖学」は、その
荘厳な表紙や専門的な内容に少し尻込みして
しまうかもしれません。しかも、この本は
お値段も高く、即決できるかどうか悩む方も
多いでしょう。私も最初は同じように感じ
ましたが、結論から言えば、この一冊はその
価格以上の価値を提供してくれるものでした。
これから、この本のおすすめポイントや、
実際にどのように役立つのか、具体的な例を
挙げてご紹介いたします!
体(筋肉)を描く時の辞書的に使える
目標:こんなかんじの腕を上げている絵を描きたい
で、本から筋肉の資料を当たってみます。
よし! この資料見ながら描いてみよう! となるんですが
うわっ気持ちわるっ!! 人体模型みたい。そして
一番困るのはどの線を省略したらいい感じに
なるのか? というのがわからない事。
こういう筋肉の図解「だけ」を置いている本が
多い気がします。
ところが、「スカルプターのための美術解剖学」は…
こうじゃ!!
図解だけでなく、きっちり隣に、普段目にする
状態の写真が置かれているんですね。
「普通に目に見える状態はこうですが筋肉の
構造はこうなっています」という事を
示してくれています。どこの線を省略すれば
いいかの判断がつきやすく、イラストに落とし
込みやすくなっています。
作例
筋肉の構造をチェックしつつどの線を落とすかの
判断がしやすかった!!
筋肉以外の写真も豊富!!
これがむちゃくちゃ大変でした。
「顔が横向き、目がこっちを向いている」
という資料がない!! ほんっとうにない!!
困り果ててたんですが、まったくの別件で
ぱらぱらとスカルプターのための美術解剖学を
めくっていたら…
あったアアアアアアアアア!!
右端の写真をアップにします
真横をむいている目ではあるのですが眼球の
様子がよく分かるので応用がききます。
作例
眼球の円を動かせばいいんだ!! という気づきを
得ました。
すごいのがその情報量。この目の写真が載っていた
ページなんですが…
と、とんでもねぇ情報量!!
自分が使った部分について言えば、
「一方をにらんだ時、顔が横向きになると眼球は
こうなる」という事が順序だてて説明されて
います。
正面;一方を見ている
斜め:こちらをにらんでいる
横顔:前の写真の流れからこちらをにらんで
いる眼球という事がわかる
という流れ。
まとめ:この本をおすすめする理由
高額な本ですが、単なる筋肉図鑑ではなくて
使用されている写真が膨大です。文章でくわしい
説明もされているのですが、それ無しでも
散りばめられた写真を見れば自分の目的の資料に
たどりつけるのではないでしょうか?